みんな、元気ですか?
今日、みんなに話したいのは学校のこと。
私はみんなに学校がどうして必要なのか、ずっと考えていたんだ。
学校建設に参加しといて、今更どうして??って思うでしょう。
最初は学校があったら、もっと可能性が広がって、みんながもっと幸せになれるって、勝手に思っていたんだ。
でも、みんなの最高に楽しそうな笑顔を見てしまったら、これ以上の幸せなんてあるのかと、学校を作ることが本当に良いことなのかわからなくなった。
今まで学校がなかったから、みんなは字を読むことも書くこともできないけど、必死で言葉を教えようとしてくれたね。
字を知らなくたって、友達になるために必要なことは何かを、みんな知ってたよね。
学校ができるって、みんなにとっとどういうことなんだろう??
私にはわからなかったけれど、みんな学校ができるのを楽しみにしていたね。
私は知ってる。
人間は平等じゃない。
世界には学校に行くことが義務の子どもも、戦争に行くことが義務の子どももいる。
30年前、カンボジアの子どもたちは地雷の隙間で生活していた。
みんなと同じ年くらいの多くの子どもたちが犠牲になった。
学校は閉鎖され、先生は殺され、教科書は燃やされた。
知識を持つことは悪いことだと教えられた。
勉強したいという希望は抑えこまれ、考える能力が奪われた。
30年前、ポルポト政権による大虐殺。
おじいちゃんもおばあちゃんも怖くて、そのときのことをまだ語れずにいる。
帰らない人を待ち続ける悲しさが身に沁みたから。
人間は平等じゃない。
神様の試練でもなんでもなく、ただ本物の悪意が突然襲い掛かってくることがあるのだと思う。
それでも、今、そんな月日を経て、みんなが笑っている。
それは神様の奇跡のようで、実は人間の力なのだと思う。
人間はすごい、生きているってすごい、みんなを見ると、そんな希望が見える。
みんなは、学校が出来るのを楽しみにしていたね。
だから、学校を作る理由なんて、私が考える必要はないのかもしれない。
みんなが喜んでくれる、それだけが大事なことだったんだ。
きっと、人間は学びたい生き物なのだ。
みんなを見てるとそう思う。
今度はきっと大丈夫。
満足するまで、たくさん学んで。
人間は平等じゃない。
でも、私たちは平等にしていく力を持っている。
希望を見つけ、育て、一緒に幸せになる力を持っている。
私たちの知っていることを、みんなが知る必要がないなんて、誰にも言えない。
私たちの持っているものを、カンボジアの子どもに持つななんて、公平じゃない。
知ることから生まれる可能性を誰にもつぶす権利はない。
もちろん、知ることはいいことばかりじゃないけれど、知ってどう行動するかはみんなが選べばいい。
そういえば、絵描きのかんなちゃんが学校の壁に描いた「笑っている地球」を見て、地球なんて見たことのないみんなは「お月様!!」と言って喜んでくれたね。
みんなが地球を知った時、学校の壁に描かれた笑う地球をどう感じるだろう。
みんなが、かんなちゃんが描いたような笑う地球に住みたいと思ってくれたら、私はそれがうれしいなぁ。
地球が笑っているためには、みんなが笑っていないといけないんだよ。
みんながこれからもずっと笑っていること、みんなの笑顔から幸せをもらった全ての人が願っています。
笑顔を忘れないで生きてください。
学校があってもなくても、それが一番大事なことだから。
遊び、学び、笑い、みんなが成長した頃、また会いに行くね。
それではまた。

