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トレンドマイクロ、クラウド・セキュリティへの注力を表明

トレンドマイクロは3月24日、2011年の事業戦略に関する説明会を開催し、クラウド・セキュリティに注力していく意向をあらためて表明した。


 説明会には、トレンドマイクロ代表取締役 兼 CEOのエバ・チェン氏が登壇。同氏は、ITインフラのクラウド化の進展やモバイル通信の増加によって、「ネットワークの境界線が消える」と指摘した。「クラウド化が進むとデータセンターが統合され、ネットワークのトポロジーが変わる。また、データセンターには、普及が急速に進むモバイル・デバイスが直接アクセスするようになっている」(同氏)

 これらの結果、ネットワークの境界線があいまいなものとなり、セキュリティ対策のアプローチが変わってくるという。「クラウド化が進むとセキュリティ対策のモデルが大きく変わる。従来はネットワークの境界線を守るというアプローチが有効だったが、クラウド・インフラにおいては、すべてのデバイス、データを保護しなければ有効なセキュリティ対策とはならない」とチェン氏。

 そうした状況を受けてトレンドマイクロでは、クラウド・セキュリティを「クラウド・インフラ」「データ中心の防御」「エンドポイント・セキュリティ」「クラウド・アプリケーション」という4つの領域に分類し、各領域を網羅する形でセキュリティ・ソリューションを展開している。


トレンドマイクロが注力するクラウド・セキュリティの4領域

 具体的には、統合サーバ・セキュリティ製品「Trend Micro Deep Security」で、クラウド・インフラとその上で稼働するアプリケーションを保護する。エンドポイント・セキュリティについてはウイルス対策などの既存製品群に加え、スマートフォン向けセキュリティ・ソフト「Trend Micro Mobile Security」で対処する。データ中心の防御という点は情報漏洩対策製品「Trend Micro Data Loss Prevention」に加え、クラウド向けデータ保護製品「Trend Micro SecureCloud(仮)」を展開していく。

 「従来の主力事業であるウイルス対策製品は80億ドル規模だが、クラウド・セキュリティの市場は301億ドルと4倍の規模になる」とチェン氏は語り、クラウドの進展によってトレンドマイクロのビジネスチャンスが拡大していることを強調した。

 ただし、「当社がセキュリティに注力するという姿勢は変わらない」(チェン氏)とし、同社が保有していないコンポーネントは、パートナーとの協力との下に補完していく姿勢を明らかにした。そうした協力体制の例を挙げると、ファイアウォールやIPS(Intrusion Prevention System)はCisco Systemsと協力し、アイデンティティ管理はMicrosoftのActive Directoryとの連携を図っている。


トレンドマイクロ 取締役 エグゼクティブバイスプレジデント 日本地域担当 兼 エグゼクティブバイスプレジデント アジア・ラテンアメリカ地域営業推進担当 大三川彰彦氏

 説明会では、トレンドマイクロ 取締役 エグゼクティブバイスプレジデント 日本地域担当 兼 エグゼクティブバイスプレジデント アジア・ラテンアメリカ地域営業推進担当の大三川彰彦氏も登壇し、日本国内における事業戦略などについて説明した。

 国内において同社は、2010年に「ソリューションパートナー・プログラム」を新設した、このプログラムの下に14社のパートナー、450名のパートナー・エンジニアを認定し、SI案件立ち上げや製品検証、認定資格の取得、特別有償サポートといった支援活動を行ってきた。今後もパートナー支援活動を継続し、2011年は累計で認定パートナー20社、認定エンジニア800名に拡張する計画だ。

 また、大三川氏は、東京電力が実施している計画停電について触れ、次のように語った。「当社の顧客には、専任のIT担当者がいない中小企業も多い。計画停電に際して、そうした顧客からは、サーバのシャットダウン方法がわからないという問い合わせが多く、パートナーが電話やオンサイトで対応している。このような状況を見て、クラウドの運用性・保守性の高さをあらためて実感した」

 なお説明会では、東日本大震災に対するトレンドマイクロの取り組みも紹介された。まず同社は、3月12日に緊急義援金の1000万円を日本赤十字を通じて寄付し、その後、グローバルの従業員/経営陣から寄付を募る「Give&Mutch」プログラムを実施、同様に日本赤十字を通じて寄付を行う。このプログラムによる寄付額は4000万円ほどになる見込みだという。さらに、物資の面でも寄付を行う予定であり、日用品や食料などを日本財団の協力の下に被災地に提供する計画だ。

 製品サポートの面では、災害救助法が適用された地域の個人ユーザーに対して、「ウイルスバスター」契約期間の3か月無償延長を実施するほか、企業ユーザーも含めて被災地のユーザーが同社製品を紛失/破損した場合は無償で交換する。